メガネの雑記帳

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悪を見過ごせない正義感と生きていきづらさ

もう関係者ではないのに、前職のアルバイトから相談を受けた。なんでもほかの未成年のアルバイトに社員が酒を飲ませたということで憤り覚えているとのこと。飲まされたのはそのアルバイトの彼女だというのだからなおさら憤っているのだろう。

 

本人も飲むこと自体は嫌がってはいなかったと周りから聞いてはいるようだ。その本人は吐くまで飲んだらしい。

 

良識ある大人であれば未成年が急性のアルコール中毒にでもなった場合のリスクを考えるのだろう。またこのご時世だ、大人数での会食は感染症対策の観点からリスクがある。

 

仕事がら未成年を預かる仕事なので未成年者を相手でそれがアルハラであろうとなかろうと飲ませてアルコール中毒になった、コロナウィルスに感染したということになれば決していいことはない。

 

それくらいのことは想像がつき、相談してきた彼もまたそう思っていた。

 

ただ彼はその正義感でつっこんでいってそのバイト先ではあまりいい印象を持たれてはいない。長くやってくれているがそれは私を含めて昨年までいた社員たちがそれなりにいろいろ対応した結果でもある。

 

今後、彼は生きづらさを感じる。大人たちは間違ったことをしているように見え、それを周囲は看過しているように見えてしまう。かつて私もそうであったように。

 

何かあってからでは遅いのだが、彼の言葉を聞いてくれる人たちは今の彼のバイト先にはいない。普段から「うまくやる」ことができていれば聞いてもらえるのであろうが、残念ながら持ち前の正義感が許さないらしく「うまくやる」ことが難しいようだ。

 

このことに気づくには少し時間がかかるだろう。来年、彼は就職して社会人になる。多くの大人たちは子供の頃に見えていた大人と違って理性的でないし知識が豊富なわけでもない。すごい大人なんてほんのわずかであることに愕然とするかもしれない。子供のころにすごく見えたのは経験の差から出てくるものだけだった。長く生きていれば蓄積されるもの、その差ですごく見えていただけだ。

 

彼が就職した先で大きな正義感を燃やしてすぐにやめることのないよう祈りたい。やめるときは十分に考えてほしい。でないと生きていきづらさが増すだけだ。なんせ、おれがそうだったから。

 

自分が信じた正義は相手にとっては正義でもないし何なら正義なんて持っていない人もいる。学校という狭い空間や学力で評価される世界だと見えないものはたくさんある。

 

彼は都市部の国立大学に合格する程度には勉強はできる。決して頭が悪いわけではない。時には自らの正義を捨てたほうが良い時があるということを学んでほしい。

そしてこの言葉は自らの胸にも刻んでおきたい。